ヤーコン普及活動

NPO緑の会(当時EM緑の会)会長恒川敏江氏が、平成9年5月に石岡の鈴木せつ子さん(石岡緑の会会員、茨城県議会議員)から「これヤーコンって言って体にとってもいい植物だそうですよ。」 と言ってヤーコンの苗を5本頂いたのがきっかけです。
その苗で育ったヤーコンの鏃(ヤジリ)のような葉に見入った唐沢光江氏が「私にヤーコンを担当させて下さい。」と申し出て、会の取り組みが始まりました。平成10年には出来た種芋を会員数人に分け与え本格的なヤーコン活動がスタートしました。そしてヤーコン茶をはじめ各種商品開発と販売も始まりました。
この間、唐沢氏はヤーコンに関する文献を探したり、種芋の入手先を調べたり、各種研究会等に参加して見聞を広げてゆきました。特筆すべきは、平成17年1月にはヤーコンの原産地ペルーまで理事長とはるばる出向いて、ヤーコン自生地を見学したり、専門家の話を聞いたりしたことです。また、茨城大学農学部教授月橋輝男氏監修の”奇跡の健康野菜ヤーコン”という本は何度も読み返す座右の愛読書となりました。
平成11年5月には、ヤーコンの葉を利用した”虹のヤーコン”というネーミングのヤーコン茶を販売開始、平成13年3月にはヤーコン芋を利用した粕漬けを、漬物の老舗「新六本店」で販売開始、平成15年2月には干芋を販売開始しています。
この間毎年、ヤーコンを利用した料理講習会を開催し、ヤーコンの普及活動にも力を入れてきました。

理事長宅に育ったヤーコン

写真で大きさを確認してください。

下にあるのはヤーコンのイモ

ヤーコン茶

ヤーコンの花

原産地ペルーを訪ねた
ヤーコン担当の唐沢さん

ヤーコン料理教室の様子

ヤーコン料理

[表1] ヤーコン(芋)の各主成分含有量(100g当たり

愛媛工業技術センターによる分析結果

ヤーコン塊根の成分分析結果
成分 | 含有量


水分 | 83.1g
タンパク質 | 1.0g
脂質 | 0.1g
糖質 | 13.8g
繊維 | 0.9g
灰分 | 1.1g

ヤーコン塊根の栄養細分含有量
成分 | 含有量


カルシウム | 12mg
リン | 34mg
鉄 | 0.2mg
ナトリウム | 0.4mg
カリウム | 344mg
マグネシウム | 8.4mg
ベータカロチン | 130μg
ビタミンB1 | 0.07mg
ビタミンB2 | 0.31mg
ビタミンC | 5mg
食物繊維 | 2.6g
ポリフェノール | 203mg

[表1]はヤーコン塊根部の成分分析結果です。全体の83%が水分で、固形分の約80%である糖質の大部分はフラクトオリゴ糖が占めています。サツマイモがデンプンと植物繊維でできているのに対して、ヤーコンはフラクトオリゴ糖と植物繊維でできています。デンプンはほとんど含まれていません。また、ヤーコンにはポリフェノールが非常に豊富に含まれています。ポリフェノールは動脈硬化を防ぐ効果があることが分かっています。

[表2] ●ヤーコン(葉)の各主成分含有量(100g当たり

日本食品分析センターによる分析結果

ヤーコン塊根の成分分析結果
成分 | 含有量


タンパク質 | 12.8g
脂質 | 2.9g
糖質 | 36.8g
繊維 | 18.3g
カルシウム | 905mg
タンニン | 2.99mg
鉄 | 24.5mg
ナトリウム | 10.7mg
カリウム | 4970mg
マグネシウム | 661mg
亜鉛 | 30.7mg

ヤーコン葉の中には、カテキン、テルペン、フラノボイド配糖体などの生理活性物質のほかに、ビタミンA、B1、B2、C、そしてカルシウム,カリウムが豊富に含まれています。これらの成分も大変重要なのですが、ヤーコン葉の中に血糖値の上昇を抑制する、きわめて強い活性が確認されました。つまり糖尿病治療薬としての効果が確認されています。

[表3] ●野菜などのオリゴ糖含有量
(可食部100g中)

環境耕作研究所の資料による

植物 | 含有量


ヤーコン | 8.0g
タマネギ | 2.8g
ネギ | 0.2g
ニンニク | 1.0g
ゴボウ | 3.6g
ライ麦 | 0.7g
バナナ | 0.3g

[表4] ●キク科植物フラクトオリゴ糖含有量
(可食部100g中)

四国農業試験場の資料による

植物 | 含有量


ヤーコン | 7.0g
ゴボウ | 2.3g
チコリ | 2.7g
ヤマゴボウ | 2.2g
食用タンポポ | 1.4g
ニホンタンポポ | 1.3g
ヨモギ | 0.6g

[表3]は、いろいろな野菜のオリゴ糖含有量を比較したものです。収穫直後のヤーコンの場合、オリゴ糖は全体の約10%にも及ぶといわれ、オリゴ糖が多いと云われているゴボウやタマネギ、ニンニクなどに比べても圧倒的に多いことが分かります。
また、キク科の植物はフラクトオリゴ糖を多く含んでいますが、[表4]にあるようにキク科の仲間と比べてもヤーコンのフラクトオリゴ糖含有量は群を抜いています。
現在知られている全世界の野菜の中で、ヤーコンはまさにオリゴ糖の王様なのです。

[表5] 各種飲料のポリフェノール含有量
(100g当たり)

愛媛県工業技術センターの資料による

ヤーコン | 203mg
赤ワイン | 200mg
緑茶 | 50mg
白ワイン | 25mg
りんごジュース | 25mg
ぶどうジュース | 15mg

[表6] 野菜のエネルギーの比較
(100g当たり)

愛媛県工業技術センターの資料による

ヤーコン | 54Kcal
サツマイモ | 123Kcal
サトイモ | 60Kcal
ジャガイモ | 77Kcal
ゴボウ | 76Kcal
ヤマイモ | 70Kcal
精白米 | 148Kcal

[表5]にあるように、ヤーコンに多く含まれるポリフェノールは、強力な抗酸化物質であり、実際には人体の中で血液中のLDL(悪玉コレステロール)の酸化を防ぐことによって血液をきれいにし、「動脈硬化」を予防することが、国立健康・栄養研究所とサントリーの研究グループによって科学的に証明されています。
[表6]は野菜のカロリーを比較したものです。毎日食べているご飯は茶碗1杯で200キロカロリーを超え、逆に植物繊維は0.2グラムしか含みません。ジャガイモやサツマイモと比較しても、ヤーコンがダイエットイモであることは明らかです。

◆フラクトオリゴ糖の話

上記のようにヤーコンには、フラクトオリゴ糖が多く含まれていることが分かっていますので、このフラクトオリゴ糖が、私たちの健康維持にどれだけ有効な食材であるか紹介します。

●虫歯になりにくい
フラクトオリゴ糖は虫歯菌の栄養源になりませんので、食べ続けても砂糖の場合と違って虫歯になりません。
歯垢の原因となる粘着性の不溶性グルガンも作られません。

ダイエット効果がある。
フラクトオリゴ糖は人の消化酵素では分解されません。人に摂取されたフラクトオリゴ糖は吸収されることなく消化管を通過し、大腸に達します。
つまりフラクトオリゴ糖は人の栄養源にならないということです。

●おなかの調子を良くします。
フラクトオリゴ糖は、善玉菌であるビフィズス菌の栄養源にはなりますが、大腸菌や悪玉のウェルシュ菌には利用されません。大腸内で、ビフィズス菌など乳酸菌類はフラクトオリゴ糖を栄養源として増殖して、その課程で有機酸を作ります。
つまり、フラクトオリゴ糖を摂ることで、腸内の悪玉菌を減らし、善玉菌が増えるとともに有機酸も増えますので、大腸内がとっても健康になるのです。

血液や血行をを正常に保つ。
高脂血症の方に、フラクトオリゴ糖を含む食品を平均5週間摂っていただいたところ、血中の総コレステロール、中性脂肪、血糖値、血圧などが低下したと報告されているそうです。

便秘を治し便通を良くする。
1日5~10gのフラクトオリゴ糖を4週間ほど摂ったところ、便通が改善されたと報告されたそうです。
以上のようにヤーコンは、食べて美味しいばかりでなく、整腸作用をもあり、低カロリーで肥満や糖尿病を予防するための、極めて優れたダイエット食といえますが、日常の食生活での急激な効果を期待することは必ずしも望ましくはありません。
1日5~6gのフラクトオリゴ糖を気長にとれるように、ヤーコンを中心に他の食材を組み入れた食生活を、心がけることが大切でしょう。